最近気になる世界の「ジュエリー」その11
これら諸民族が使った装身具は装飾を伴ってはいるものの、本質的には実用品として作られたことが特徴で、フィビュラも衣服の合せ目を留めるためのボタンの代わりの実用品であった。
そのあたりが、完全に文明化する以前の民族の装身具の状況を示すものとして面白い。
印象的なのは、平面に研磨したガーネットを有線七宝のように金線の枠に合わせてカットし嵌入してあることで、接着剤には微粒子状の砂と卵白を使っている。
また鈍い鼠色をしたニエロも特徴的で、実例はむしろ七宝よりも多いだろう。
こうしたジュエリーのほとんどはキリスト教化のなかで作られなくなり、その後の[ロマネスク]、[ゴシック]の時代を通じてほぼ完全に忘れられたのは残念である。
これらが復権してくるのは、19世紀のリバイバルの時代を待たねばならなかった。