最近気になる世界の「ジュエリー」その13
裏側にも施された細工とカラフルな七宝
この時代、今日のジュエリー・デザイナーの走りとも言うべき人物が登場する。
ベンヴェヌート・チェリー二がその人で、さまざまな金銀細工に作者としての自分の名前を残したのは、彼をもって噛矢とする。
天才的な金細工師でありながら、トラブルを起こしては牢屋への出入りを繰り返した彼は、メダルの原形を彫ったり彫刻を作ったりしているが、本質的には金細工師の修行を積んだ人物で、代表作はサリエラと呼ばれるフランソワー世のために作ったテープル用の塩胡椒入れである。
見事の一語に尽きる女神ケレスと海神ネプチューンを描いた金の像はウイーン美術史美術館の呼び物であったが、盗難にあっている。彼の自伝を読むと、ルネサンスの工房の実態がよくわかる。