均てん努力と集権システム 2
「自治」にはふたとおりの読み方があります。
これは前田多門氏も指摘されていることですが、一つは「おのずから治まる」であり、もう一つは「みずから治める」です。
後者の「みずから治める」ことがなぜ必要であるかといえば、地域社会には多様な利害や意見があり、それゆえ時には対立や争いが起こることは病理ではなく生理であるから、いろいろな工夫をして、そうした対立や争いを調整し解決していかなければならないからです。
この「みずから治める」という意味での自治の担い手は、どのような住民イメージでしょうか。
それは・・・
1.自己の個性的な利害や意見を明確に主張できる独立性を保ちながらも、
2.利害や意見の相互主張にともなう対立や争いを調整するためには相手方への理解と一定の譲歩とによって折り合いをつけることが結局、自分の利害にかなうと判断しうる知性をそなえていること
・・・この2つの条件を装備しているという意味で自己規律の能力をもつ「政治主体」としての住民です。
ここで「政治主体」という場合の「政治」は、自主独立の人びとが相互の自由な合意によって秩序(共存関係)を創り出す行為を指しています。